たかPのインタビュー最終回です。
最終回、見事にまとまります。
・第3回「DTMユーザーとして、これからのデジタルサウンドに期待するもの」
―たかPがクリエイターとしてこれからに期待するものってあります?デジタルサウンドっていう抽象的な表現の中でですが。
たかP: 2つありますね。1つは世界、1つはデジタルチルドレン。
―世界展開ということ?それともグローバリゼーション?
たかP: 両方じゃないですかね。ボカロPが世界にでればいいんすよ。日本市場なんかもう捨てて。
―世界的にはUTAUの方が流行ってるようですね。MMDも世界的なムーブメントになりつつあるそうですし。
たかP: そういうのもひっくるめて、ですね
―あと、デジタルチルドレンは?
たかP: 簡単にいうとモバゲーが球団買収しちゃうんですよ。CM配信数今年のトップなんですよ。グリーとモバゲーがトップ1,2なんです。じゃあそのお金ってどこからでてるのか?いまの若者は車かわないとか、酒のまないとか、タバコすわないとか、良い時計かわないとか、いろいろ言われますけど、そのぶん違うとこにお金使ってるだけっすよ。そして、これからその世代は、メインコンシューマーになるわけっす。そのときには別の世界になってるだろうなって。
―音楽にとっても?
たかP: 結局は、インターネットの方向性とリンクしてるんだとおもいますよ。ネットの流れの上にボカロ現象が必然的にあった、と考えてます。要は、コンシューマーは誰か?ってことなんです。ステレオタイプなコンシューマーを見てたらそりゃ画一的になりますよ。
―そのコンシューマがデジタルチルドレン。
たかP: 今のボカロコンシューマーはデジタルチルドレンのすごく最初のほうって感じです。
―うちらが想像できないような何かをこれから見せてくれるであろう期待ってことですかね?そうなると、たかPも再起動をかけると?
たかP: おいらはもともとボカロには2つ重要なポイントがあるって思ってました。1つは世界、ですね。もう1つは、音楽のミニマイズでしょうか。
―ミニマイズ?
たかP: 音楽の製作コストがが圧倒的に安くなる。 その音楽のミニマイズの恩恵を受けるのはもちろんボカロPだったわけですけど、もう1人、恩恵を受けるのは、町のお店だろうってずっと言ってたのです。音楽制作のコストが圧倒的に安くなったんだから、街のお店だって自店舗のコマーシャルソング作れるだろ?と。
―でも、恩恵というほど大きなものですかね?
たかP: 大きいんじゃないですかね。まぁそれはそもそもの音楽の価値の話かもしれませんけど。国内の600万事業者のうち果たして何%がコマーシャルソングもってるの?ってことでしょう?w まぁビジネスにおいて、コマーシャルソングが不要だ、というならそもそもダメなんですけどこれはw でも今後のネットの流れはエリアですから、コマーシャルソングが必要だとおもうんだけどなぁ。
―地域ブログやコミュニティネットが増えていく?
たかP: いや、リアルとネットの融合っていうか、差がなくなっていくというか。たとえばよくいうのが デジタルサイネージって、ネットマーケティングなの?リアルマーケティングなの?とか。わかんないですよねw もう差なんてないんですよw じゃあ、地域におけるデジタルってのが街の店舗においてどう影響してくるかっていったらこれは圧倒的な販促コストの低下なんですよ。駅おりたらデジタルサイネージがあって、そこを通るとスマートフォンに小さなラーメン屋の案内が流れてくるんですよ。電車で帰宅してる電車の中で下車駅のスイーツ屋の宣伝がくるんですよ。限定ラスト5個、とかw
―それ、おもしろい!
たかP: おいおい待って電車まだ着かないwww みたいな。近い将来、そうなります。そのときに、店舗のコマーシャルソングって必要ないですか?音楽の扱い方が変わるってことっすよ。今までは音楽が「高かった」んです。これからは圧倒的に安くなりますからね。パーソナライズってことを考えたっていいんじゃない?たとえば、あなたの思い出をオリジナルな曲にしますとか、世界で1つだけのあなただけのオリジナルソングとか。激しく厨二病だけど、でもそういうことができるでしょう。ミニマイズな世の中なら。
―厨二病ってクリエイティビティの源泉みたいなところがありますからね。
たかP: まったくですよwww
―そろそろ、まとめましょっか!
たかP: 本流を泳いでる人はそれでいいんですよ。いわゆるな曲、いわゆるな歌詞、いわゆるな動画、いわゆるなニコニコ。まったく批判しないですし、本流ですし、これからもがんばってください。でも、ボカロの本質って音楽のミニマイズにあると思うんです。インターネットも同じ方向に向かってる。そこにいくのもいいんじゃないでしょうか?音楽のミニマイズって誤解を与えるな、音楽制作のミニマイズ、ですね
―今日はありがとうございました!
ということで、たかPとのインタビューは以上です。ボカロPとしてのたかPの話から音楽とコンシューマの話、そしてこれからのデジタルサウンドの可能性について幅広くお話ししていただきました。このシンポジウムの根幹の部分が見える内容で、大変感謝しております。改めまして、ご協力いただいたたかPに熱く御礼申し上げます。
たかP
@takadtmnu http://takap.tk/
本業はマーケティング屋。VOCALOIDオリジナル曲や歌ってみた動画を投稿している。
初音ミク、鏡音リン、がくっぽいど、巡音ルカ、メグッポイド、VY1を使用。
初投稿は2007年12月21日、「
【初音ミク】 忘れないで・・・ 【オリジナル】」。
ボカロオリジナル曲第7作「
【がくっぽいど】 すばらしき人生 【オリジナル】」はがくっぽいどコンテストで優秀作品に選ばれた。
最新作は2010年9月2日投稿「
【【VY1】 シリウス 【オリジナル曲/たかP】」。
メガネ補正が30点でJK制服補正が40点でポニテ補正が30点。