デジタルサウンドインタビュー ―たかP 第1回―

デジタルサウンドシンポジウム@浜松のアイデアはたかPとの茶飲み話がきっかけでした。
そこで、今回インタビューをさせていただき、たかPとしての4年間の活動、
なぜ、DTMを離れてしまったのか?
そしてデジタルサウンドに期待するものを語っていただきました。

・第1回「たかPとしてのこれまでの活動」

―まず、クリエイターにとって面白い状況って、ミクさん(初音ミク)登場から2年ぐらいはあったんですよね?
 
たかP: ありましたねーー

―それって、今思うと何がポイントだったんでしょ?
 
たかP: 全部が一致したんじゃないですかね?

―歌ってくれること、キャラクターのアイドル性、ネットでの配信とか?
 
たかP: ですです。他に東方やアイマスっていう下地があってPCの性能があがって、DAWとかがなんなく動くようになったとか、ニコニコやYouTubeとか、SNSとかTwitterとか、ハードからソフトからネットから全部ひっくるめて、一致したんだとおもいますよ。この辺はネットマーケティングでいうとこのCGMってやつですよね。CGMの土台がそろったところにミクさんが現れたのです

―天使でしたか?
 
たかP: ミクさんマジ天使

―(笑)

たかP: まぁ奇跡でしょうなぁ

―でもDTMユーザーの全てがボカロに流れたわけではないんですよね?

たかP: いくらなんでも歌だけは人じゃないとだめだろっていうDTMユーザーと、おれはそんなオタク文化には興味ないぜっていう硬派なDTMユーザーは流れなかったんじゃないでしょうか。

―初期をとりあえず2年ぐらいとすると、そこまでは盛り上がってたんですよね、クリエイターも。

たかP: 盛り上がるってのをどう考えるかでしょうけど。本とかは今のほうが圧倒的に出てますしねw

―そうですね、売上とかでみれば確実に今の方が盛り上がってますね。でも、どこかでクリエイターの顔が見えなくなった。

たかP: それはしょうがないんじゃないでしょうかねぇ。だって、CGMなんだから、結局はコンシューマーが担ってるんですよ。ボカロPなんて裏方に決まってるんです。ただ、初期はコンシューマーが裏方を見てた。ボカロPも含めてボカロだったんです。今はコンシューマーがボカロPを気にしなくなった。それだけですよ。

―それは、ちょっとさみしいですね

たかP: 一般化した、という意味ではよかったんじゃないでしょうかw

―これは勝手な持論なんですけど、ボカロのムーブメントの初期って岡林信康の頃のアングラフォークのような、歌いたい奴が好き勝手歌ってて、それが社会背景もあって爆発的に受けた。でも、吉田拓郎って天才が一気にメジャーにしちゃった。

たかP: 掛け算で考えたほうがいいかもしれません。数×ハート=爆発力、みたいなかんじ。初期は数は少なかったけどハートは熱かったんです。いまは逆でしょうね。

―そこですね。その爆発力が新しい音楽が生まれる感じでワクワクしてたんです。拓郎も自分でアイドルになりたいんだ!って言ってましたが、ミクさんもアイドルになっちゃった。

たかP: ミクさんは天使ですからw

―おぉ!失礼!

たかP: でもたぶんそれは意味合いが違うんですよねぇ。ボカロPがいう、ミクさんマジ天使、っていうのとリスナーさんたちがいうのは意味が違うと思います。精神的な天使なんですよミクさんはw。たまたま形があるけど、ボカロPにとってみれば別に形はなんでもよかったんじゃないかな。

―間接的には影響ありますよね?ミクさん可愛い→曲を聴くみたいな

たかP: それはコンシューマーにとってですよ。俺らにしてみたら精神的なアイドルなんですねぇ

―ほう、そこんとこ詳しく!

たかP: う、うーんw。部活のマネージャみたいなものですよ。部活のマネージャって部員のアイドルじゃないですか?でもそれは決して、容姿ではなく、レモンスライスで癒してくれるとか、ヤバイときに応援してくれて力をくれるとか、負けたときでもなぐさめてくれる、とか。精神的なものでしょうw?ボカロPにとってのミクさんは部活のマネージャ的なアイドルなんです。だから天使なの。母性なのかもしれないですね

―それはキャラクターの部分という話?

たかP: 違います。部活のマネージャの容姿は関係ないですってw。そりゃまったく関係ないっていったら違うけど。だからすごくAKBに似てるんですよ構図が。ボカロが衰退した原因の1つはAKBだとも思うし。だってAKBってかわいくないじゃないですか基本的には、でも必死になってがんばってて、そりゃ応援したくなるってもんですよ。

―・・・続けていただいて構いません

たかP: なんだっけwwwミクさんマジ天使www。それを一番あらわしてるのが、ミクさんの奇跡って言葉ですよねぇ。やっべぇ、うちのマネージャあんなかわいかったのかよ!みたいなw。で、プロデビューしたら、おれらのマネージャじゃなくなった、、、っていって去っていくんでしょwww。まぁ、作曲者とボーカリスト、の関係なんです。いっしょにがんばって歩んでいて、何度も同じところ歌ってくれて、ときにはこっちの予想をはるかに超えて歌ってくれて、ときには全くうまく歌ってくれなくて嫌な顔はしないですけど、汗かいたり、めっちゃ努力してますよミクさん。心の中で。だから天使なんですw

―しかし、たかPは離れてしまった。

たかP: 音楽が好きで、曲を作るのが好きで、その曲を歌ってくれるミクさんが好きなだけです。なので、音楽から離れたっていうか、今はお休みしてるってだけですよw

(第2回「たかPがDTMを離れたホントの理由」に続きます。)


たかP @takadtmnuhttp://takap.tk/
本業はマーケティング屋。VOCALOIDオリジナル曲や歌ってみた動画を投稿している。
初音ミク、鏡音リン、がくっぽいど、巡音ルカ、メグッポイド、VY1を使用。
初投稿は2007年12月21日、「【初音ミク】 忘れないで・・・ 【オリジナル】」。
ボカロオリジナル曲第7作「【がくっぽいど】 すばらしき人生 【オリジナル】」はがくっぽいどコンテストで優秀作品に選ばれた。
最新作は2010年9月2日投稿「【【VY1】 シリウス 【オリジナル曲/たかP】」。
メガネ補正が30点でJK制服補正が40点でポニテ補正が30点。



同じカテゴリー(たかPへのインタビュー)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
デジタルサウンドインタビュー ―たかP 第1回―
    コメント(0)