デジタルサウンドインタビュー ―小林オニキス―

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今回のデジタルサウンドシンポジウムにご登壇いただく小林オニキスさんに、これまでの音楽活動とCGMについてお話を伺いました。


―サイハテミク、可愛いですよね。服装とかが年代的にツボなのかもしれません。これってモデルがいるんですか?
 

小林オニキスさん: モデルというか、これは礼服のイメージですね。ミニスカートの礼服、というのはないんでしょうけれど。
 サイハテ以前からバンドでライブをやったり、作った楽曲をネット上で公開していましたがあまり大きな反響というのは得られませんでした。サイハテという曲以降、非常にたくさんの曲の感想を頂いたり、歌ってもらえるようになって、音楽を作っている者としてはいちばん嬉しい経験をさせてもらったと思います。
それとお仕事の依頼もたくさんもらえるようになって、いつの間にか職が変わりました。

―音楽に関わり始めてどれぐらいなんですか?

小林オニキスさん: 音楽自体は気付いたらずっと作りつづけてきました。もう10年以上経ちます。

―津田大介さんと関わり始めた活動について、詳しくいいでしょうか?

小林オニキスさん: 2000年ぐらいネット上で、個人がやっているテキストサイトやニュースサイトが流行っていた時期があって、自分も当時、音楽のニュースサイトをやっていました。津田大介さんもそのころ音楽配信に関わる情報を扱うサイトを運営されていて、その頃から親しくさせて頂いてます。
当時から自分の音楽を広く聴いてもらいたい、ネットを使えばその可能性はある、ではどうすればいいのか?ということはずっと考えていたことで、じゃあまず最初に人を集めよう、ということで始めたのが音楽ニュースサイトでした。この取り組みはある程度成功しましたが、それでも何かが変わるほど大成功という感じではなく途中で一度挫折しました。その後、ボーカロイドの存在を知ってもういちど音楽活動を再開しました。
 ちなみに、自分がボーカロイドで曲を作るようになってから、津田さんと牧村さんがなさっている「未来型音楽レーベル実践講座」にゲスト講師みたいな感じで参加させてもらったこともあり、それで自分の存在を知った方に文章の仕事をいただくようにもなって、現在に到っています。


―それって音楽のCGMの始まりという感じがしますが、今のオニキスさんの活動につながってますね。その時点では今の状況って予測できました?

小林オニキスさん: 予測できていました。90年代後半ごろには、インターネットの仕組みを利用すればこういう事が出来るようになるだろう、というのはある程度言われていて、だいたいその予測どおりの世の中になっていると思います。それが実現するかはネットのインフラの充実次第、みたいなところがあって。
2000年ごろに自分はネットでいろいろ始めましたが、そのころから既に在野にもすごい才能を持った人がたくさんいることを知ったので、ここから世に出て行く人はいるんだろうなと思っていました。テキストサイトが流行った際も、注目を浴びて書籍を出したり、ライター業を始めたり、ネットで知り合った人たちで編集プロダクションを興したりしていて。それと同じようなことがここ数年で音楽の分野でも起こった。次はきっと映像の分野で同じようなことが起きるのだと思います。


―音楽に関わり始めた頃のバンド活動と、ボカロの活動、似てますよね?牧村さんのインタビューでボカロ=ギター論というのをおっしゃってるのですが、そこらへんいかがでしょうか?

小林オニキスさん: 牧村さんがおっしゃっているのとはちょっと違う意味になるかと思いますが、ギターと歌声というのは両方ともとても情報量が多い楽器なので、パソコンで打ち込んでそれらしく再現するのに非常に向いていないんですね。弾いた方が早いし歌った方がはやい。でもボーカロイドで音楽を作る場合は、音楽表現の形として機械が歌をうたっているという事自体に意味がある、という場合があるわけです。そういう場合には人間の歌は替わりにならないんですね。
でも、打ち込みのボーカルで人間の歌声に音楽的な情報量で匹敵しようとすれば、それはとても大変なことで。じゃあどうすればいいのかと言えば、ひとつはボーカロイドに楽器として演奏できる形態のインターフェイスを付けること。鍵盤で鳴らせるようにしたりとか、左手で言葉を右手で音階を演奏できるような新しい楽器として発展するのであれば、歌うのとはまた違った身体性を付け加えることが出来るとは思います。それに近いもはYAMAHAさんも開発をされているそうなので、とても期待しています。

―それではもし、他に何かあればお好きなことを、お好きなだけどーぞ!

よろしくお願いします。

―こちらこそよろしくお願いします。今日はありがとうございました!


小林オニキス
三重県出身。ボーカロイドを使った楽曲制作を行うクリエイター。作詞・作曲・イラスト・PV動画を全て一人で制作した代表曲「サイハテ」を発表したことがきっかけで脚光を浴びる。テレビアニメのエンディングテーマ曲を手掛けたり、週刊アスキー誌上にて連載を持つなど、現在では作曲家、ライター、デザイナーとして幅広く活躍している。
代表曲「サイハテ」「さよならアストロノーツ」など



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