デジタルサウンドインタビュー ―たかP 第2回―

たかPへのインタビュー第2回です。
前回はたかPのこれまでの活動についてお話聞かせていただきました。
そんなたかPがなぜDTMを離れてしまったのか、
クリエイターとコンシューマの関係に触れながらお話を伺いました。

・第2回「たかPがDTMを離れたホントの理由」

―あらためて、たかPが最近なんでDTMからはなれちゃったのか?プロジェクトノスタルジアとかボーカロイドにゃっぽん(ボーカロイド専用のSNS たかPはここで「ネギでもわかるにゃっぽん音楽教室」を主催)とか、そこらへん積極的だったのに、なぜ?ってのは聞きたいです。

たかP: えーっとたぶん一番大きな理由は3.11です。なんか、プライオリティが変わっちゃったんでしょう。残ったメンバーも昔みたいな動き方ではないですよ。

―熱さがない?

たかP: バカさがない、なのかな。バカのパーセンテージが減った、というか。よく、メジャーを意識しすぎたからつまらなくなったとかいわれますけど違うと思います。どっちかっていうとコンシューマーを意識しすぎたんじゃないでしょうかね。

―それは音楽の質にも関わる問題ですよね?

たかP: もちろん。ここからちょっとマーケティングの話にいきますが、お客様第一主義ってのがありますね。なぜ日本でiPhone が作れなかったのかという議論があって、結論は日本はお客様の声を聞きすぎるからだったんです。お客様第一主義の捕らえ方が日本は間違ってるんですね。本来の意味は、お客さまの本当の気持ち、ニーズを汲み取り、理解し、お客さまの最大限の利益を提供すること」ですよ。
 結局アップルはそこで、分厚いマニュアルなんてお客様に読ますことが悪だ、って考えたわけです。実際いま、シニア層にスマートデバイスが広まってるわけですよ。一方で何も教えなくても3歳児がタブレットPCいじりますからね。でも日本は違うんです。いろんな人の声をききすぎて、なんでもかんでも詰め込んで、結果的によくわけのわからない、平均的なものができあがってしまうんです。
 ボカロに置き換えると、クリエイターがコンシューマーを向きすぎた結果、コンシューマーのいろんな声を聞きすぎて結果的にみんな同じものになっちゃった、と。

―曲が均質化してしまった?

たかP: 全部ですかね。クリエイターのスタイルから発信方法も含めて。

―日本らしいですね。最初はとがってるけど、丸くなって、また尖ることはなくて、新しいものに期待する。
 
たか: お客様第一主義が原因ですわねぇ。実に日本らしいw。そこに3.11があって、プライオリティの変化がおきた。ずっと、もうやることやったしいいんじゃね?って思ってたところに引き金が引かれただけっす。つまり、コンシューマー、リスナーが代わっちゃったんです。クリエイターはその変わっちゃったコンシューマーの声を聞きすぎた。で、いまにいたる、と。

―わかります。悲しいけれどこれが現実ですね。でも、創作意欲が湧いたりしませんか?ある日ふと、メロディー浮かんだり。

たかP: ありますよ。だから衰退、じゃなくて変化、なんですよ。

(第3回「DTMユーザーとして、これからのデジタルサウンドに期待するもの」に続きます。)

たかP @takadtmnuhttp://takap.tk/
本業はマーケティング屋。VOCALOIDオリジナル曲や歌ってみた動画を投稿している。
初音ミク、鏡音リン、がくっぽいど、巡音ルカ、メグッポイド、VY1を使用。
初投稿は2007年12月21日、「【初音ミク】 忘れないで・・・ 【オリジナル】」。
ボカロオリジナル曲第7作「【がくっぽいど】 すばらしき人生 【オリジナル】」はがくっぽいどコンテストで優秀作品に選ばれた。
最新作は2010年9月2日投稿「【【VY1】 シリウス 【オリジナル曲/たかP】」。
メガネ補正が30点でJK制服補正が40点でポニテ補正が30点。



同じカテゴリー(たかPへのインタビュー)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
デジタルサウンドインタビュー ―たかP 第2回―
    コメント(0)